宅地造成及び特定盛土等規制法
2025年11月02日
2023年5月に施行された「宅地造成及び特定盛土等規制法(通称:盛土規制法)」は、盛土に関する安全対策を強化するために制定された法律です。静岡県熱海市で発生した土石流災害をきっかけに、全国的に盛土の安全性を確保する目的で整備されました。
従来は宅地造成に伴う盛土のみが規制の対象でしたが、新法では「特定盛土等」として、宅地以外の山林や農地などで行われる盛土も対象に含まれています。これにより、土地の用途を問わず一定規模以上の盛土を行う場合は、都道府県の許可や事前届出が必要となりました。
規制区域内では、盛土の高さや面積が基準を超える場合、設計の安全性や排水計画、周辺環境への影響が厳しく審査されます。無許可での工事や基準に違反した造成には罰則も設けられており、土地の安全管理がこれまで以上に求められています。
不動産取引においても、この法律の影響は大きく、土地を購入する際には、対象地が規制区域内かどうか、また過去に盛土造成が行われていないかを確認することが重要です。特に造成地では、見た目ではわからないリスクが潜んでいる場合もあるため、購入前に専門家や行政機関に確認することが安心につながります。
不動産会社としても、こうした法令に基づいた情報提供や安全確認を行い、お客様に安心して土地取引をしていただけるよう努めています。盛土規制法は、災害を未然に防ぎ、地域の安全を守るための新しいルールです。これから土地購入や造成を検討される方は、ぜひ一度専門家に相談し、法的手続きや安全性をしっかり確認することをおすすめします。
